管理職になるにはゴルフが必要——そんな時代はもう終わりました。
かつては人間関係のために、社内のゴルフコンペに参加することが“暗黙の常識”でした。
しかし今の時代、管理職になるためにゴルフは不要です。
私自身、管理職かつ営業職ですが、コロナ禍でゴルフの機会が激減して以降は復活していません。
なぜなら、ゴルフは時間もお金もかかり、プライベートへの負担が大きいためです。
部下にゴルフをやんわりと強制するような習慣もなくなりました。
さらに、年功序列から実力主義への移行や、コンプライアンス重視による接待文化の縮小も背景にあります。
もはや人脈や付き合いだけで物が売れたり、人事評価が決まる時代ではありません。
この記事では、管理職にとってゴルフが不要である理由と、ゴルフに代わる“今の時代に合った本当の交流の形”を考えていきます。

先に言っておくと、私自身はゴルフという接待ツールは有用だと思っています。ただ、ゴルフをやらなくなって数年経っても仕事に影響はないんですよね・・・
なぜ管理職にゴルフは不要になったのか?


1,ゴルフ人口の減少
そもそもゴルフ人口が全盛の時代はバブル期であり、この時代が異常だったとも言えます。
笹川スポーツ財団の調査によると、ゴルフ推計人口は2000年1,332万人から2022年856万人と減少しています。
レジャー白書でも1992年1,480万人がピークであり、ここ最近は若干回復の動きがあるも全体では右肩下がりの状況です。
2,若者世代のゴルフ離れ
ワイムシェアリング株式会社の調査によると、平成生まれのゴルフ未経験率は約7割となっており若者世代のゴルフ離れが進んでいます。
ゴルフをやらない理由としては
- 費用が高い
- ゴルフ場が遠い
- ラウンドに時間がかかる
など、娯楽としてはハードルが高いことが挙げられます。
さらに、企業側も人材確保が課題となっており、若手社員にゴルフを「強制的」にさせることはほとんどなくなりました。
結果として、会社内でゴルフを教える人も減少し、「社内でプレーを受け継ぐ循環」が途絶えつつあります。



特に私は営業だったので、入社3日後には先輩のお古のゴルフクラブを譲り受け、勤務時間中に練習場に連れていかれました^^;



今となっては良い思い出だけど、同じことを部下や後輩にやれる雰囲気はないよね。
3,今までの社内におけるゴルフの効果とは
かつて、多くの会社では昇進が年功序列によって決まっていました。
この時代、端的に言えば昇進には「人間関係的要素」が不可欠であり、そのためのコミュニケーションツールとしてゴルフは非常に効果的でした。
しかし現在では、成果主義・能力主義など客観的な評価制度が主流となり、私情を挟む余地は減少しています(ゼロではありませんが)。
日本の人事部によると、「かつて主流だった年功主義から、成果主義を軸とし、能力主義・職務主義へと評価・報酬制度が移行している」ことがわかります。
そのため、会社内におけるゴルフの役割は「昇進」という観点だけで見れば、ほぼ消えつつあるのです。



個人的に、成果主義や能力主義というのはITや一部の大企業以外は過度に取り入れない方が良いと思いますけどね・・・
なぜもてはやされた?仕事ゴルフの利点3つ
かつてゴルフは「管理職の必須スキル」とさえ言われるほど、仕事に直結するツールでした。
株式会社ライズ・スクウェアの調査によれば、ゴルフ経験者の約4割が「コミュニケーションが円滑になった」、約2割が「仕事がスムーズになった」と回答しています。
実際にいままで仕事ゴルフをしてきた人間として、以下のような利点を実感していました。
- 共通の話題がコミュニケーションのハードルを低くする
- 普段関係のない人とコミュニケーションできる
- 長時間の共有で人物像を深く知れる
①共通の話題がコミュニケーションのハードルを低くする
会社の上層部や取引先との間には、年齢差や価値観の違いがつきものです。
そんな中で「ゴルフ」という共通の話題を持つことは、会話のきっかけや雑談の潤滑油になります。
世代を超えたコミュニケーションの大きな助けとなっていました。
②普段関係のない人とコミュニケーションできる
社内外のコンペでは、普段関わりのない人と同組になることが一般的でした。
ゴルフがなければ出会わなかった相手と対話が生まれ、部門や役職横断の 新たな人脈づくり に役立ちました。



私、仕事以外では人見知りなんでコンペ前はいつも緊張していますが、とりあえず共通の話題があるのは心強いですね。
③長時間の共有で人物像を深く知れる
ゴルフは1ラウンドにプレーだけでも4~5時間かかります。(土日ならもっと!)
その間、プレーを通じて相手の性格や価値観、マナーや判断力まで自然に見えてきます。
仕事の場だけではわからない一面を知ることができ、相手を理解する上で大きなメリットがありました。



ただ、長すぎるんだよなあ・・・ハーフ(9ラウンド)でも十分だと思うんですけどね。
プライベートの費用や時間の負担以上のリターンがあると考えられていたわけですね。
しかし現在は、プライベートと仕事を切り分ける意識が強まり、ゴルフが必須のコミュニケーションツールとは言いがたくなっているのは前述のとおりです。
では、ゴルフに代わり今の管理職に求められるスキルとは何なのでしょうか。
仕事ゴルフ不要の時代に必要なスキルとは
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先ほどは触れませんでしたがゴルフの利点がもう一つありました。
それは「お互いにプライベートを犠牲にしている」という自己犠牲の精神を共有できる点です。
休日を削ってまで一緒に過ごすことで、“同じ苦労を分かち合っている”という一体感が生まれていました。
しかし、今は「正論」と「IT」の時代です。
- 仕事に必要な人間関係は業務時間内に築くという価値観
- メールやチャットなどのITツールで、誰にでも気軽に連絡できる環境
昔のように「見て覚えろ」「自分で考えろ」「わからなければ聞いてこい」という一方通行のスタイルは通用しません。
上下関係ではなく横の関係性を意識し、上司からも積極的にコミュニケーションを取ることが求められています。
そのためには、特にチャットなどの文字によるコミュニケーションツールの活用が効果的です。



実際、私も他部署の上司や部下とも積極的にチャットでやり取りすることで、プライベートな話や仕事の根回しまで行っています。
ゴルフに代わる、現代に合った最強のコミュニケーションツールと言っても過言ではありません。


まとめ:管理職はゴルフより成果と信頼構築が重要
ここまで見てきたように、かつては管理職や昇進において「ゴルフ」が大きな役割を果たしていました。
しかし今の時代は、プライベートを犠牲にした接待や人脈づくりよりも、成果と信頼関係の構築が何より重視されています。
すでに管理職の立場にある方は、ゴルフに時間を割くこと以上に、部下の成長を支える行動や業務内でのコミュニケーションに力を注ぐことが求められます。
一方でこれから管理職を目指す方は、ゴルフを習う必要はまったくありません。
チームの成果を引き出すマネジメント力や、日常のやり取りを通じて信頼を積み重ねるスキルを磨くことに邁進してください。
ゴルフが悪いわけではありません。趣味として楽しむのはもちろん自由です。
ただ、「管理職になるためにゴルフをやらなければならない」時代はもう終わりました。
これからは、誰もが納得できる「成果」と「信頼」で評価される時代です。
その意識を持つことが、管理職として長く活躍するための何よりの条件ではないでしょうか。



ちなみに私は5年ブランクがありましたが、どうしても無下にできない人間関係のために再開しました。一度やってしまうと誘いが絶えなくなるので、嫌な人は絶対にやらない方がいいですね。




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